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コラム | 2026年7月14日

物流統括管理者(CLO)は何を見るべきか?
—経営判断に必要な物流データとは

CLOの物流データ検討イメージ
この記事でわかること
・物流統括管理者(CLO)義務化の背景と、経営層に求められる役割
・CLOが直面する「欲しいデータが存在しない」という現実
・「法令を守れているか」「改善しているか」「投資すべきか」——CLOの3つの問いと必要なデータ
・現場データをCLOに届けるデータ基盤の考え方

2026年4月から物流統括管理者(CLO)の選任が義務化されました。しかし、多くの企業で最初に直面するのは「経営判断に必要な物流データが手元にない」という現実です。

本記事では、CLOが経営判断に使えるデータとは何か、そのデータをどう整備するかを整理します。

CLOになった瞬間、直面する現実

CLOに就任した経営幹部が最初に直面するのは、「聞きたいデータが存在しない」という問題です。

CLO「荷待ち時間は?」
「集計中です。来週お出しします」
CLO「人時生産性は?」
「各センターのExcelをまとめています」
CLO「先月より改善したか?」
「感覚的には改善していると思います」
CLO「法令報告の数値は?」
「担当が手作業で集計しています」

これが多くの現場の実態です。物流部門では日々の業務は回っていても、経営判断に使えるデータが整備されていないケースが少なくありません。

CLOが機能するかどうかは、優秀なCLOがいるかどうかではなく、必要なデータが必要なタイミングで把握できる仕組みがあるかどうかで決まります。CLOが役割を果たすためには、この課題を解決することが重要です。

CLOが義務化された背景

📋 物流統括管理者(CLO)に求められる役割(国交省ポータルより)
  • 物流全体の持続可能な提供の確保に向けた業務全般を統括管理する
  • 運送・荷役といった物流機能の改善だけでなく、調達・生産・販売等の各部門と統合して流通全体の効率化を計画する
  • 関係部署間の調整に加え、取引先等の社外事業者との水平連携・垂直連携を推進する
  • 荷待ち時間・荷役時間の削減や積載率向上を盛り込んだ中長期計画を策定し、定期報告する

出典:国土交通省「物流効率化法」理解促進ポータルサイト「物流統括管理者(CLO)の選任」

CLOの役割は「物流部門の管理」にとどまりません。調達・生産・販売を横断した全体最適化を主導し、中長期計画を策定・報告する責任を負います。製造業であれば、工場への部品入荷から製品出荷まで統括する立場です。この責任を果たすには、現場担当者の感覚報告ではなく、数値として把握・記録・報告できるデータ基盤が不可欠です。

CLOの3つの問いと必要なデータ

CLOが経営判断に使うデータを整理すると、3つの問いに集約されます。

問い①「法令を守れているか」——証明するデータ

法令対応
荷待ち時間・荷役等時間

法令報告対象

改正物流効率化法で定期報告が求められる指標です。CLOはこの数値の改善トレンドを中長期計画の進捗として管理し、国への報告根拠として整備する責任を負います。「感覚的に改善している」では通じません。計測・記録・報告が一体で機能する仕組みが必要です。

問い②「物流は改善しているか」——判断するデータ

改善評価
人時生産性・KPI達成率の推移

中長期計画の進捗管理

CLOが「改善しているか」を判断するには、前月比・前年同期比で数値が動いているかを確認できる必要があります。人時生産性(作業員1人あたりの時間あたり処理件数)は、投資や施策の効果を測る代表指標です。「感覚的には改善している」という報告を受け続けるか、数値で確認できるかは、CLOの意思決定の質を決定的に変えます。

問い③「どこに投資すべきか」——優先順位をつけるデータ

投資判断
工程別スループットとボトルネック特定

投資優先度判断設備・人員計画

「どの工程に設備投資・人員増強が必要か」という判断はCLOが担う経営意思決定のひとつです。工程別スループット(時間あたり処理件数)を比較することで、全体の出荷能力を制約している工程が数値として特定できます。

「現場が忙しそう」「あの工程に人が足りない」という現場の声だけでなく、データで「この工程の達成率が継続的に低い」という根拠をもとに投資判断ができるようになります。

現場データをCLOに届けるしくみ

3つの問いに答えるデータは、すべて倉庫現場から生まれます。しかしそのデータが経営層のダッシュボードに届くまでには、複数のステップが必要です。

現場の設備・機器
WMS・ハンディ・マテハン設備
›
データ収集・連携
IoT・クラウド連携
›
分析・可視化
ダッシュボード
›
CLOの意思決定
経営判断・報告

このステップのどこかが欠けていると、CLOに届くデータが「感覚報告」に戻ります。多くの現場で起きているのは、WMSは稼働していても分析できる形でクラウドに上がっていない、あるいはExcelで集計されているため翌週にしか確認できない、という状態です。

現場管理者が日常的に使うデータと、CLOが経営判断に使うデータは、同じデータソースから生成できます。一度整備すれば、現場改善と経営報告を同時に支えるデータ基盤になります。

データソース WMS・WCS ハンディ端末 マテハン設備 データ基盤 クラウド蓄積・分析 Nexa Warehouse-Optimizer 経営層(CLO) ・人時生産性の推移 ・法令報告値 ・投資優先度の判断 現場管理者 ・工程別進捗・完了予測 ・シフト設計・応援指示 ・作業員別生産性

同じデータ基盤から、現場管理者には「今日の工程が間に合うか」が見え、CLOには「今月の生産性は改善しているか」が見える——そのような設計が、効果的なデータ基盤のあり方です。

🔗 ネクサウェアの強み——「設備×データ分析」をワンストップで

Nexa Warehouse-Optimizerを提供する株式会社ネクサウェアは、KDDIと椿本チエインの合弁会社です。椿本チエインのベンダーフリーな物流倉庫自動化のエンジニアリング力・保守サービスと、KDDIが持つデータ分析・可視化サービスおよびマネージドサービスを組み合わせ、設備からデータ収集・分析・可視化までをベンダーフリーでワンストップ提供できる体制を実現しています。

CLOが求める「現場の実態をデータで把握できる環境」は、分析ツールの導入だけでは完結しません。現場の設備や機器からデータを取得する仕組みと、それを可視化・分析する層が一体で設計されて初めて機能します。ネクサウェアはその両側を理解しているパートナーとして、データ整備の入り口から継続的なサポートを提供します。

出典:KDDI株式会社「椿本チエインとKDDI、物流倉庫DXを実現する合弁会社「Nexa Ware」設立」(newsroom.kddi.com)

CLOが機能するかどうかは、優秀なCLOがいるかどうかではなく、必要なデータが必要なタイミングで把握できる仕組みがあるかどうかで決まります。
CLO対応のデータ整備、何から始めればよいか迷っている方へ

「何のデータを整備すればいいかわからない」「今あるWMSのデータが活用できているか確認したい」——CLOに就任したばかりの段階からご相談いただけます。Nexa Warehouse-Optimizerは、既存のWMS・WCSデータをもとに、工程別スループット・人時生産性・KPI達成率をWebダッシュボードで可視化する分析基盤です。データ整備の入り口から継続的にサポートします。

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